業界地図が変わる?日本の製薬業界の未来

政府の強力な後押しもあり、日本のジェネリック医薬品普及は当初の予想を超える勢いで浸透しています。 政府は、2020年ごろまでに普及率を80%以上とするという目標を掲げて、さらなる普及推進に努めています。

これは、先発薬とジェネリック医薬品のシェアを当初と完全に逆転させる数値ですが、その影響は医薬品業界全体に大きくのしかかっています。


先発薬メーカーの危機感

医薬品業界は、景気に左右されない安定した業界であるといわれ、これまではほとんどの先発薬の製薬会社が大きな損失もなく一定の売り上げを保っていました。しかし、ジェネリック医薬品を国がバックアップし、積極的に販売するようになり、先発薬を販売する製薬会社は売り上げを大きく落とすことになったのです。

特に、特許が切れても使われ続ける先発薬、長期収載薬については、平均して売上高の40%以上を占めており、この部分がジェネリック医薬品に転換され、売り上げがなくなることは、経営に重大なダメージを与えることとなります。

また、これまでは、この長期収載品から上がる収益を元に新薬を開発していたため、今後は新薬を開発する資金的ゆとりがなくなるのではないかと懸念されています。

さらに、今後開発する新薬が、特許切れとともに売れなくなるとすれば、薬そのものの販売寿命は非常に短くなり、無理をして新薬を開発するメリットが減ると考えられはじめているようです。

この流れが進行すれば、大手の製薬会社も新薬の開発を諦め、ジェネリック医薬品を作り始めるのではないかと言われています。

現在、大手試薬会社は業務のスリム化、他社とのM&Aなどに積極的に取り組み、生き残る道を模索しているようです。


ジェネリック医薬品業界の問題

では、ジェネリック医薬品会社はどうでしょう。 もちろん、ほとんどの会社にとって大きなチャンスとなっていて、社内の体制の強化に努めているようです。

現在は、すべての先発薬がジェネリック医薬品へ転換されるまたとない好機で、早期に対応することで莫大な利益が見込めるのです。

しかし、予想をはるかに上回るスピードで医薬品のジェネリック化が進行したため、体制が整わない会社もあったようです。

これまで、ジェネリック医薬品会社は規模も比較的小さいものであったため、急激な発注に生産が追いつかず、在庫がなくなってしまうケースも数多く報告されています。

このため、各社とも現在、増産に向けて設備投資を行ったり、さらなるジェネリック医薬品開発を行うための研究開発費を増額したりと、このチャンスをつかみ、需要の取り込みを行うために全力を挙げて取り組んでいます。

いずれにしても、製薬会社業界は大きな転換期を迎えているといえそうです。


薬を選択する時代

今後は、ジェネリック医薬品はますます増加し、「先発薬かジェネリックか」といった選択ではなく、「どのジェネリック薬を選ぼうか」といった選択肢が提示される世の中になる可能性もあります。

また、薬局で販売される一般用医薬品も、今後はますます多くのジェネリック医薬品が販売される可能性があります。

患者側も、最低限の薬の知識を持ち、これまでのように薬剤師さん任せではなく、自発的に薬を選択できるようにしたいものです。




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