生活保護家庭はジェネリックしか使えなくなるの?

2013年5月、生活保護法の改正案が閣議決定されました。年々受給者が増える中、少しでも財政を抑えたい国は申請のハードルを上げようとしているのですが、改正案の1つにジェネリック医薬品の使用も組み込まれています。 生活保護費の中でも大きい医療費を抑えるためですが、賛否両論があるようです。


医療扶助の節約をめざして

不況も手伝って、生活保護に受給者数は年々増える一方。今後は安易に受給を認めず、前段階として職業訓練を実施するなど、さまざまな取り組みをおこなうことになりそうです。そんな中、改正案の中に「受給者は、基本的にジェネリック医薬品を使用すること」という内容が組み込まれ、議論を呼んでいます。

生活保護費の約半分を占めるといわれるのが、医療扶助です。たしかに受給者の医療費はすべて無料となっていますし、体を壊して働けない人が多いために、どうしてもその額は大きくなりがちです。そこで、薬代だけでも抑えられるよう、医師が認めた場合はジェネリックを使用するよう努めることが、法律で決められようとしています。 これが成立すると、明確な理由なしに先発薬を希望した受給者には、ケースワーカーなどから指導がおこなわれることになりそうです。

しかし医療扶助の中でも多くを占めるのは入院費であり、薬をジェネリックに切り替えたからといってそれほど大きな節約につながるのか、という声もあり、議論が起こっています。


実は国民へのメッセージ!?

さらに心配なのが、生活保護家庭にジェネリック使用を義務化することで、「貧しい人が使う薬」というイメージを与えかねないことです。そうなると、むしろジェネリックに偏見をもち、使いたがらない人が増えることが懸念されています。

またこの改正は、実は医療扶助の削減というより、国民への国からのメッセージという側面が強いのではないか、とも指摘されています。 というのも、芸能人の家族が生活保護を受給していたことや、一部の不正受給者がギャンブルに保護費を使っていることがニュースとなったことから、今では生活保護に対してすっかり悪いイメージが広まってしまいました。その批判の的は、受給者のみならず、それを認めている国や自治体にも向けられています。

そこで、国は「きちんと節約しようとしていますよー」とアピールするために、ジェネリック義務化を持ち出しているのではないか、ともいわれているのです。同時に「生活保護を受けると、先発薬は使えなくなりますよー」ということも伝え、新たな申請をストップさせようとしている狙いもあるかもしれません。

いずれにせよ、本当に生活に困窮している社会的弱者に対して、薬の選択の自由を制限することが正しいことなのかどうかについては、多方面から賛否両論が巻き起こっているようです。




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